朝日新聞 文化・文芸欄から・・・・

10月30日から 語る―人生の贈りもの― と題して柳家小三治師匠の記事が始まり新聞を広げるとまづ、小三治師匠の記事を読みます。11/9の記事ではあるところで、思わず笑ったな。<同じ五代目柳家小さん門下の兄弟子には立川談志がいる。談志はのちに一門を脱退し、落語立川流をつくって家元となる。参議院議員も務めた> 談志さんはずっとあとになって、周りに人がいるところで「おれはお前のこと、ずいぶんかわいがってたよなあ」なんて言ってました。他人がいると格好つけたがる人でしたねえ。中略あるとき、浅草の店で私がカウンターでめしを食い、奥で古今亭志ん朝さんたちが飲んでいると、「談志が来る」って情報が入った。それなら帰るっていうやつ、なおさらいるっていうやつもいて大騒ぎ。談志が来て、奥で志ん朝さんと盛り上がったあと、私に「志ん朝はあんなんでいいのかよ」って言う。「いいんじゃねえの。談志は談志、志ん朝志ん朝。それぞれ違って」って言うと不満なんだね。「それよりお前の芸はどうなんだ」って言ってやりたかったけど、私は兄弟子じゃないしねえ。(笑い)小三治師匠、よくぞ仰いましたと、思わず笑った!でも、後半で<談志は2011年11月75歳で亡くなった> あの先、どうなったんだろうっていう思いはあります。若いときから口調もしっかりしてたし、落語をまともにやって、まともにおもしろいんですから。みんな、その技量がないからギャグを入れたりするわけでしょ?家元になりたいとか、議員になりたいとかいうことがなければ、とんでもない人になっていましたねえ。「家元・元祖」って言われるものに、知らずのうちになれる人だったと思いますよ。(聞き手 石田祐樹